日々是好日

2019年
4月16日(火)
〜18日(木)

高野山と吉野への旅  
 以前から行きたいと思っていた高野山に行ってきました。  4年前に比叡山に行って多くの伽藍と荘厳な雰囲気を味わってきたので、次は空海が開いた高野山巡りをしたい思っていました。
 比叡山の開祖は最澄、高野山は空海、供に同時期に中国に渡り、仏教を持ち帰ったことは学校で習ったとおり。 特に空海は当時の最先端教義である密教を持ち帰り、最澄も空海の元に入門し密教を習ったとか・・・
 この辺は、司馬遼太郎の「空海の風景」に詳しく描かれている。

 そんなことで、今回は高野山を中心に2泊3日で奈良・和歌山を巡ることとしました。  当初は高野山・熊野巡りを計画したが、熊野は広く、そして遠いので、熊野は諦め、吉野の桜を見ることで計画変更した。  

 初日(4月16日)は9時の新幹線で京都下車、近鉄特急に乗り換え奈良へ到着。  10数年ぶりに東大寺に行き、大仏様を拝んだ。  奈良に着いてビックリしたのは外国人の多さだった。  西洋人も多かったが、それ以上に多かったのはここでも中国人。  鹿に煎餅を与えてはしゃいでいるのは、決まって中国人だった。

 奈良を2時間ほど回り、宿泊場所である橿原神宮前駅に着いたのは午後の3時過ぎ。  取り合えずホテルにチェックインして、ホテルから徒歩10分の橿原神宮に到着。  
 橿原神宮の祭神は神武天皇で、畝傍山の麓に鎮座されておりました。  神武天皇は2600年前の神話時代の天皇だが、明治23年に明治天皇がこの地にこの神社を建立したとか。 

 夕食は予約した日本料理屋で摂ったが、料理はまあまあなるも日本酒が美味しかった。

 二日目(4月17日)は、8時頃の電車で高野山を目指した。  当初は地元でレンタカーを借りて行くつもりだったが、不慣れな土地での運転を心配した家内の助言に逆らわず電車で行くとことした。
 電車を乗り継ぎ約2時間。 11時前にやっと極楽寺駅に到着。  そこからケーブルカーで高野山駅まで登り、さらにバスに乗り奥の院を目指す。  10数分で奥の院入り口に到着し、そこから約2km先の奥の院目指しゆっり進む。

 平日のせいか奥の院への杉並木の参道は閑散としており、行き交う人は疎らだった。  参道の両側は墓地になっており、教科書に出てくるような日本の大名や武将などの墓石や石塔が名前が並んでいた。
 歩くこと約30分、大きな御廟に到着。  弘法大師空海が眠る高野山奥の院である。  偶然にも前方から御大師様に食事を捧げる「生身供(しょうしんぐ)」と言われる儀式の僧侶一行が帰路に向かうのに出くわした。  日に2度行われるこの儀式に出会えたのはラッキー!!

 奥の院参詣を終え、食事をして次に向かったのは、高野山で最も格式のある壇上伽藍の建物群。
金剛峰寺、根本大塔、金堂、中門など由緒、歴史ある建物を見ながら高野山入り口である大門を目指した。 
 壇上伽藍から徒歩10分で大門に到着。  ここまで来る観光客は少ないとの事前情報どうり、見かけたのは西洋人ばかりであった。  ちなみに高野山では中国人は殆ど見かけなかった。  中国人も道教や仏教寺院でお参りする人は多いのだが、高野山にいないのは仏教は中国が先輩と思っているのか??

 帰りもケーブルカーでふもとに降り、近鉄、JR等を乗り継ぎ夕方樫原神宮前のホテルへ。  夕食は特に予約を取っていなかったので近くの居酒屋で美味しい日本酒と共に食事。

 最終日(4月18日)は、吉野へ。  近鉄特急約1時間で吉野山麓駅である千本口駅に到着。  そこからケーブルカー3分で吉野山駅に到着。  駅前の急な坂を登って行くとやがて世界遺産である「金峰寺蔵王堂」の急階段が見えてきた。  先ずは金峰寺に参拝。  吉野山にはこのほか世界遺産の「吉永神社」など多くの神社・仏閣があるが、前日高野山でたくさんのお寺などをお参りしたので今日はパス。

 訪れた時期が遅かったようで、桜は葉桜になりかけており、残念ながら期待した吉野山全体を霞のようにで覆う桜の景色は見られなかったが、目的のひとつである美味しい葛切りはたっぷりと味わうことができた。

 約20年前に、新婚の娘宅の様子を見に神戸に出かけ、その時、娘夫婦に連れられてここ吉野の桜を見に来たことがあった。  丁度桜が満開の時期で、秀吉も堪能したであろう「吉野の千本桜」を我々も楽しんだ。 
 その時に食べた「吉野の葛切り」の味が忘れることができず、今回はこれを目的に吉野まで足を延ばした次第である。

 ネットで調べた、吉野山が見渡せる老舗である「八十吉」に入ったが、偶然にも20年前に入ったお店であったようで、そこには20年前と同じ景色が広がっていた。  
 その時に座った席もそのままで、20年前にタイムスリップして名物「吉野葛切り」を味わうことができた。  ただ20年前と違っていたのは、目の前に広がる桜が葉桜だったことが残念至極!

 帰りにお土産用に加工した「葛切り粉」を購入し、少し早めに京都へ戻り、夕方の新幹線で無事帰宅した。  今回も帰宅早々二人して「ああ、我が家が一番!!」





高野山奥の院へと続く参道





高野山入り口に建つ大門





桜にはチョット遅かったが
吉野の山々に囲まれて咲くサクラ



2019年
11月5日(火)
〜7日(木)
金沢と白川郷の旅  
 月日の経つのは早いもので、今年は結婚して半世紀を迎えた。  海外旅行は億劫なので、今年の4月に高野山と吉野を巡る旅をしてきた。  ほんの小旅行だったが、高野山の静寂・荘厳な参道と建物、そして新緑の吉野の山々に点在する寺院など心に残る旅だった。

 9月下旬に突然娘から電話があり、 ”滅多に取れない温泉と料理自慢の旅館が取れたのでプレゼントをする” と連絡が入った。 そのほかに九州のツアーや出雲方面ツアーなどの提案があったが、どうやら50周年記念旅行のプレゼントのようだった。

 出雲は以前行ったことがあり、九州は飛行機が嫌なので、新婚旅行で行った金沢方面に行くこととした。 金沢一泊では慌ただしいので、白川郷の紅葉を組み入れて計画を練った。
 その結果、初日は金沢まで行き、金沢から高速バスで白川郷方面に行き、そこで1泊し、翌日に金沢に戻り、ゆっくりと温泉で過ごすこととした。 (レンタカーで回ることも考えたが、知らない土地の運転は控えることにしている)

 10月に入り、白川郷を調べたら、妻が希望するトイレ付きの旅館やホテルが無い。  仕方がないので、白川郷から数十キロ離れた、これも合掌作り集落で有名な五箇山にバストイレ付きのホテルがあることが判明。  うまい具合に一部屋だけ空いていたこのホテルを予約できスケジュールは固まった。

 ついでに、金沢のその旅館の予約状況をネットで調べたら、見事に来年の1月下旬まで空部屋が無い状態だった。  やはり話の通り滅多に取れない旅館のようで、たった一日だけ空いていた部屋の確保ができたことはラッキー! 
 その後、10月の台風19号で北陸新幹線が不通となり、さすがにこの旅館もキャンセルが入るだろうと再度予約状況を調べるも、あい変わらず満室状態だった。  なにか期待できそうな気がしてきた。

 初日は、9時台の新幹線で金沢に到着。 昼過ぎの高速バスで五箇山に到着。  下車したところが菅沼の合掌作り集落。  ここは以前友人と白川郷ツアーに行ったときに立ち寄った場所。  世界遺産になったせいか以前より観光客が多く、合掌作りの民家がそれぞれ土産物などを売っていた。
 夕方までここを見学して数キロ先の五箇山温泉のホテルへ向かった。  ホテル付近の重要文化財という”村上家住宅の合掌作り”を見学してホテルにチェックイン。

 皇族が泊まったという部屋を予約できたが、山奥のホテルなので特別な作りでもなくやや広いかな程度だった。  料理はまずまずなるも、温泉の大浴場から眺めた紅葉は美しかった。

 二日日は、9時台のバスに乗り約一時間で白川郷に到着。  先ずは合掌作り集落が一望できる城山展望台にシャトルバスで向かった。  数分で展望台に到着。  
 以前来たときは、2月の雪景色の中に集落の灯りが点々と灯るおなじみの夜の景色だったが、今回は昼間の集落なので前回ほどの趣は感じなかった。  期待した紅葉じはチョット早かったようだったが、周囲の山々は色付きはじめていて快晴の青空に映え美しかった。

 展望台からはゆっくり歩きながら集落へ下りてきた。  集落内は、世界遺産になったせいか多くの外国人が押し寄せており、定番の中国人の他に同じくらいの数の西洋人が散策していた。
 ここでも、多くの合掌作りの民家がみやげ物や軽食のお店を出しており、一大観光地化していた。
世界遺産になる前の世間から隔離された、山奥のひなびた景色方が、静かで趣があったたような気がした。

 約一時間もすれば集落内を一周できてしまうので、ゆっくりと時間をかけて散策し、合掌作りの蕎麦屋で昼食を取り、1時過ぎのバスで金沢のバスに乗った。  この高速バスは、10月中旬に予約を取ったが、その時には残り4席であり、危うくバスに乗損ねるところだった。 乗車してみると9割方は外国人で、山奥の古い集落が彼らのクールジャパンなのかも知れない。

 金沢には3時頃到着。  この日は、金沢観光は取りやめ、迎えのバスに乗り旅館に到着  市内から数キロ離れた犀川沿いに建つこの旅館は、広い敷地に平屋?の建物が配置され一見料亭風のところだった。
 広いロビーで一服後、離れの露天風呂付きの部屋に案内された。  12、3畳ほどの和室を中心にリビングとテラスに造られた露天風呂などが配置された静かな部屋だった。  先ずは犀川の流れを見ながら露天風呂でひと汗流す。  食事は個室で懐石料理のコースを堪能。  北陸の海産物や山の幸など、手の込んだ美味しい料理を楽しんだ。

 その後、旅館の名前の由来になったという滝が見られる大浴場の露天風呂に入り、ライトアップされた滝を眺めた。  渓流歩きをする身には特に珍しさもない滝だったが、アウトドアと比較しては身も蓋もないか?

 最終日は、9時台のバスで兼六園へ。  入場券を買おうとすると、65歳以上は入場無料とのこと。
  兼六園は新婚旅行で立ち寄ったところ。  あの時は若い二人連れだったが、入場無料の厚遇を受けるとは!? 何か得したような、刻が経ち過ぎてしまったような複雑な気持ち! 
 園内では、丁度、冬の名物の雪吊り工事の真っ最中。  しばらく職人さんたちの鮮やかな手さばきを眺めていた。

 一通り園内を一周し、次の向かったのは前田利通ゆかりの”尾山神社”。  和漢洋の3つの建築様式を備えた神門で有名だそうな。  その後、武家屋敷街や茶屋街など、金沢市内を散策して、午後の新幹線で戻った。

 思わぬ娘のプレゼントに端を発した北陸旅行であったが、新幹線代まで気使ってくれた娘の優しい心遣いに感謝しつつ無事帰宅した。
 




白川郷の集落




白川郷を流れる荘川とつり橋




金沢の武家屋敷通り




おなじみの兼六園の灯篭
(ことじ灯篭と言うそうだ)